ガレコレ [Garage Collection]
流しとは
一般的には、『体の転換』と呼ばれています。初心者も行う簡単な動作のように思えますが、合気道の要素が詰まっています。あまり深く考える人がいないのか、多くは準備運動といったレベルで行われているのが残念です。
当道場では、『流し』に拘りをもって、これを習練しています。凝り過ぎて、2時間の習練がこれだけになることも、しばしばです。普通なら嫌気が差すところですが、ただ1点を習得するのに、皆さん生き生きとしておられます。さっきではない自分に成りたいのです。
技の型を覚えても、導入部分ができてないと、実戦では技にも入れません。導入部分で使っている要素が分からないならば、技の型も生きてきません。『始め良ければ終わり良し』を実感します。途中でこねくって、何とかなるものでもありません。
技の型は、抜け殻に近いと考えています。技の型に、あれこれ要素を注ぎ込んでも、形が複雑なだけに、実りは少ないでしょう。あそこを押せばこちらが引っ込むと、いびつで訳が分からない技になる前に、『流し』をしっかり習練すべきです。
技の流れは、次のようなものです。
・間合い前
・間合いを切る瞬間
・接しに向かう
・接する瞬間
・接してから崩しまで
・浮かしから流し
・技の型
・極め、固め、止め
・残心
『間合い』と『接し方』を学ぶために、十分に離れた位置から、互いに歩み寄って、技を掛けることが大事です。流しでは、技の型に入る前までを、徹底的に行います。なお、流しを学ぶ前提として、『歩み』を学びます。次第に、流しの単独動作に移り、適度に相手をつけて、感覚とヒントを得ます。かなりの時間を単独動作に費やすことが、その後の近道だと確信しています。
・歩み
・流しの単独動作
・流しの相対動作
『流し』で学ぶ要素は、次の通りです。一例として、『歩み』の要素を分解して、その構成要素である『摺り足』をさらに分解してみました。流しは、ものすごい数の要素によって支えられています。
・歩み
・沈呼吸
・心臓の傾き
・摺り足
・足裏三点
・竹馬
・薬指の意識ベクトル
・忍び足
・小さな腿上げ
・機関車
・濡れた半紙を破らず
・超巨大な玉
・背後霊
・誘い
・影踏み
・足の意識ベクトルの解放
・風船玉
・手刀のつくりと解放
・傘
・龍の玉
・仮想剣
・上澄み
・やじろべえ
・ピエロの玉
・足裏の剥がし
・大渦
簡単にみえることを、簡単に捉えず、複雑になったと思うことを、簡単にこなす。奥が深いというからには、それを説明できるだけの根拠を持つ必要があります。結局は簡単な動きなのですが、決して真似ができないのです。
by Network Communication Note