ガレコレ [Garage Collection]
水に例える
技や術の表現に、水に関わる言葉を借りることが多々あります。基礎の『流し』『波返し』『波打ち』、体捌きの『磯返し』、術語の『水瓶』『上澄み』『白波』『大渦』『墨壷』などが挙げられます。水と聞いて連想できるキーワードとして、津波、滝、雨、嵐、台風、霧、雫、波紋、地下水、井戸、間欠泉等が考えられますが、将来、イメージに加わりそうなものが、幾つかあります。
『流し』は、川の流れ、海流をみても分かるように、止まることはありません。
『波』に関するものは、そこにあったエネルギーの転換を意味しており、無理にエネルギーを追加してしまうと、上手くいきません。
『上澄み』は、両手で掬えるだけの僅かな水です。固体をイメージして、運べるだけ重くというのでは、術が活きてきません。
自分たちは、水を知っているようで、知っていないのでしょう。毎日、水を飲み、海や川を眺め、水は当たり前のように存在しています。しかし、水に棲む生物と異なり、空気の中で棲んでいる内に、水の性質を忘れてしまったようです。
相手に触れるときに、どのような境界で接するかが重要になってきます。固体と固体では打ち合いになります。液体と固体でも、不十分です。液体と液体で、相手が自らも液体だと気づくような触れ方が理想だと思います。混ざって、融合して、流れていくのです。
by Network Communication Note