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十畳合気道場✋＞ 伝＞ 19.逆＞

　他の武道者からみると、合気道はかなり異質な存在で、一般に目にする演武は、八百長にみえるでしょう。たしかに、八百長です。自分も含め、術を身に付けていない者が、どうどうと演舞しているのですから。昔は、認められた極少数の者以外は、公には演武できませんでした。

　合気道を習練しているほとんどの者が、合気道の本質に到達していないのですから、他の格闘技者からあしらわれて当然といえば当然です。しかし、他者から充分な研究がなされていないことを、逆手に取るとするならば、ほとんどの要素が『秘伝』となり、一片の勝機もあります。まあ、戦いは恐れず、好まずでいきましょう。

　そして、ある意味タブーな発言ですが、合気道の開祖と言われている植芝盛平翁ですら、武の方向性を指し示したに過ぎないと思うと、合気道に無限の可能性を感じることができるのではないでしょうか。