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十畳合気道場✋＞ 伝＞ 18.感＞

　相手に好き勝手に攻撃させてしまえば、まず勝ち目はありません。相手の攻撃を抑えて、攻撃を限定させた上で、こちらから攻撃させて、その攻撃を捌きます。そんなことができるのかと言われればそれまでですが、意識して習練することにより、少しずつ見えてきます。

　『空間的武器』をイメージして、さもあるかのように自分から動きます。フェイントでも同様ですが、大きな動きより、丁寧な小さな動きに、相手は騙されます。パントマイムを演じているのです。

　合気道の技や術は、不思議なもので、相手にいろんな感情を持たせます。心地良いかと思えば、居心地が悪くなったり、ひやっとしたり、どうしてと思ったりします。闘争心剥き出しの戦い方と異なり、技の質の違いを感じることでしょう。相手の感覚にまで入り込むことで、相手を心からいさめたり、お互いの和を生むことにもなるかもしれません。相手を倒すのは過程であり、先人達はそういったところに真理を見据えていたのかもしれません。