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十畳合気道場✋＞ 伝＞ 13.帯＞

　何故、手刀は帯であって、丸紐ではないのでしょうか。手にも腕にも、表裏と左右があります。丸紐では、これを表現できません。

　そもそも、日本刀を模している点で、帯状になるといえばそれまでですが、カチカチの硬いものではありません。柔らかい日本刀と言えば適当なのか、しなり、曲がり、ねじれ、波打ちます。まあ、性質は現代剣道の竹刀と似通ったところもありますが、もっと柔軟で面がはっきりしています。面に表裏があり、ゼンマイバネのように巻いたりもします。その表裏も、意識一つで一瞬に反転します。鞭のようなベルトにもなります。ふわっりとほどけて、リボンにもなります。

　しなやかな帯であって初めて、ピタッと相手にくっ付き、用を成します。ニチャッとしてサラッと溶ける飴のような性質、ふわっとした綿飴のような性質も備えています。