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十畳合気道場✋＞ 伝＞ 3.小＞

　『柔よく剛を制す』もよく聞かれますが、弱者が強者に勝ちたいという願望も、含まれているようにも思えます。小さな人でも、大きな人に勝つこともあるよという慰みだけにならないように、考察してみます。

　身長、体重がある人は、それだけで強そうです。実際のところ、そう鍛えてない人でも、そのパワーは凄いものです。鍛えていれば、なおさら凄まじいパワーでしょう。

　さて、題目ですが、小さくちょこまかと動けばいいんだと思ったならば、かなり脳天気な人です。確かに、大きな人は、パワーと引き換えにスピードは遅く、リーチ差を有利にするために距離を取って戦うのがセオリーなので、相対的に動きが鈍いと感じられます。スピードで翻弄するのも一つの手ですが、決定力に欠けます。第一、この考え方では、同じ体格、小さな人に対峙する場合には、当てはめれません。

　すなおに、小さな動きで大きな動きを制御すると捉えましょう。「手刀の反しは、大渦をつくる。」この文章には相手が入っていません。自分が行う小さな動きが、自分がイメージする大きな動きの種になっているのです。そこに、相手との体格差は関係ありません。