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 ■合気道
 空手経験者に合気道を説明するにあたり、合気道の特徴を3つ挙げました。技の型ではありませんが、あくまでも物理的な要素です。これら3つで、合気柔術レベルの不可思議の半分は説明できます。今の練習量では、これらを練習できるレベルに達すれば、御の字だと思っています。

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①相手の肘が触れる間合い。
②相手も自分も微重力空間にいざなう。
③相手の重心を常識と反対側にする。
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 戦いの流れ各所で、どう戦っているか感じて下さい。


【相手の肘が触れる間合い】

・接触までの初動。
・相手の二の腕(上腕)分、間合いを稼げる。
・肘の可動範囲は狭く、見えて、予測も立つ。
・肘の速度は、手先の速度の半分以下。
・相手の肘を弾いては次の攻撃に移られ、掴んでは切られてしまう。相手が取るに足らない攻撃とすら思わない『触れ』が重要である。
・相手の肘の少しのずらしで、相手の手先が大きくずれる。
・相手の肘を、自分の体を除ける押し台にする。(攻防一体)
・相手の肘への働きかけで、相手の上体を取る。(上澄みを掬う)
・相手の出足を止めるには、相手の片足を釘付けにするのではなく、相手の心臓の片表面を止める。


【相手も自分も微重力空間にいざなう】

・接触直後の初動。
・相手も自分も、地から浮くという感覚。
・自分は姿勢を保ち、相手だけ崩すという考え方を捨てる。
・自分もしっかり崩すと、相手は攻撃対象を見失う。
・間合いが保てて、相手と繋がりやすい。
・微重力空間で日頃練習しており、相手より慣れている。


【相手の重心を反対側にする】

・とどめの段階。
・投げる方向と相手の重心の足を一致させない。
・相手がバランスを取るために浮かせたい足を、浮かさせないようにして、地から剥がす。


 自分は、性格もあって殴る蹴るは得意ではありません。もちろん、若い頃にくらべて、パワーやスピードは1/3に衰えたと感じており、殴る蹴るで戦えるとは思っていません。柔道やレスリングのような組み技も、年老いた体では辛いですねえ。手を抜く訳ではありませんが、老体に近づいた自分にとって、皮肉にも、合気道で戦う意義が大きくなってきました。

 ③は、命のとどめに繋がるので、これまで『陰の奥義』と位置付けて、非公開として練習でも説明はしてきませんでした。しかし、最後の最後に相手に逃げられてしまい、すっきりしない状況を多々目にすることになり、時期が来たと判断して、今年3月から公開にしました。新型コロナウイルスの影響で、一番弟子と二人だけで練習する時間が長くなったのもあります。

 ③の原理に気付いたのは、学生時代に、故師範の『一教表中間型』『側面入身投げ』からでした。逃げようにも、逃げられませんでした。物になったのは、それから10年も経ってのことです。自分は、これらに加えて、『呼吸投げ』『合気入身投げ』『小手投げ』『四方投げ』で教えています。

 合気道が合気道たる所以を教えなければ、合気道場を開く意義が無いと考えています。どこの合気道場でも、自分が『陽の奥義』と位置付けていることを、入門初期から、当たり前のように教えてもらえます。これは、他の武道では無いことです。しかし、この重要性に気付かず、合気道は使い物になるのかとの思いから、続かないのも事実です。常識の殻をかなり砕いてあげないといけないようです。


P.S.
 
上記とは別に、『気』はあるのか、『気』とは何ぞや、『気』を操れるのか、という重要課題があります。最近はこのレベルでの練習はしていないので、時期が来たれば、論じたいと思います。
 
 Szさんに昼食を招待して頂いて、奈半利町にIターンしてきた同年代の男性に遭いました。空手をやっていたそうで、プログラマーということで、雰囲気も考え方も、トドロと半分以上共通している感じです。今は、息抜きといった期間で、機が熟したら、おいおい合流したいものです。

 4時間もおしゃべりしたあと、たのたの温泉に行きました。Kさんが「彼がこの前言っていたM高校で空手やっていた人」と紹介され、サウナで話し込みました。

 不思議なもので、1日に、空手経験者に二名会いました。新型コロナウイルスの影響で、合気道場を自粛中ですが、再開の折には、見学にでも来てほしいですね。
 
 例え恨みを買うような覚えが無くても、些細な諍いと思っても、人を殺めるような国や時代ではないと考えられても、命の危機が身に降りかかることがあると『心構え』を持つことが大切です。

 相手の攻撃に対しては、三種類に分けて考えます。

①相手に攻撃させない。
②相手の中途半端な攻撃を引き出す。
③相手の全力の攻撃に対処する。



【相手に攻撃させない】

 相手が目の前にいて、今にも攻撃しそうな状況を想定します。

 自分の位置が大切となります。相手より有利な高さ、良い足場を取ります。背水の陣という言葉がありますが、一見不利に思えても、『地の利』を活かせば、逆手に導くことも可能でしょう。

 相手の盲点にいるようにします。相手の背面や側面である『裏』と考えそうですが、『表』にも盲点はあります。道場の練習では、いやだなあと思う場所を探りましょう。

 相手を一瞬でも止めることが、相手の中途半端な攻撃を引き出すことに繋がります。



【相手の中途半端な攻撃を引き出す】

 道場では、これが練習の中心となります。術の手順とタイミングによる間合いの変化で、相手がどう感じるかが重要です。

 『影踏み』『六線』『てがう』『浮身』『柳』『肘触れ』により騙して、『山越え』『マッシュルームの軌跡』『レ点の返し』『上澄み』に繋げます。



【相手の全力の攻撃に対処する】

 ふいに相手が攻撃してきた場合、何が起こったか分からず、攻撃されていることにすら気づかないものです。

 まず、間合いを確保することを最優先とします。相手と揉み合いになることは避けて、相手の力量とリズムを感じます。自分の被害状況は、後回しです。被害状況を把握している間に、次の攻撃が来ます。例えば、災害が起きたときに、第一声は「被害状況は?」ではなく、「何が起きた?」です。この感覚が、後手を踏まない鉄則です。

 相手が全力で攻撃できる間は、とにかく攻撃を躱すことに集中します。攻防一体を忘れても構いません。

 相手から離れることができないならば、逆に相手とくっ付いて戦います。『0レンジ』と呼んでいる距離感です。相手のからだ表面を滑りながら、相手を押し出す技術で戦います。『後襟取り』などで練習します。

 なお、致命傷をもらってしまったならば、相打ちを目指します。
 
 回転体の速度を上げるには、回転体の軸がブレなければいいでしょう。武術において、スピードとパワーを使うのであれば、この理屈も通ります。

 
 
 武術では、しばしば円の動きを力説されます。自分も『円の体捌き』『円転無窮』として、合気道を学んできました。しかし、「円」という表現は、勘違いを引き起こすことが多々あります。


①曲線だけでなく、直線も大切です。曲線の捌きでは、遅れをとります。巨大な円をイメージすることで、直線も自然に丸みを帯びます。

②円は1つではなく、大小組み合わせて、同時に使います。

③グルッと一周してはいけません。円の一部である円弧です。

④美しい正円ではなく、どちらかと言うと楕円が相応しく、正確には放物線由来の曲線です。

⑤一方向の回転により、遠心力で振り回すのではありません。波が返すように、極で逆回転になり、方向をずらして崩します。極では、垂直に入り、斜めに出ていくので『レ点の返し』と独自に呼んでいます。


 「円」は短く強い言葉です。円を否定するのではなく、言葉に囚われてはいけけないということです。柔軟に取り組まないと、無意味な捌きで練習することになります。
 

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