なはり浦の会
町並みの特徴
奈半利町は、町の真中を国道55号線が走り、その国道を縫うように旧道55号線があります。そして、高札場を起点とした野根山街道が、東の尾根に向って延びています。
伝統的建造物は、主として旧道沿いに残されており、建設当時からの姿を今にとどめています。
主屋と蔵は、漆喰の壁面に水切り瓦がついた土佐の民家特有の造りで、その間取りは家の商いにより違いがあります。また、浜石を積み上げた石塀や、赤レンガを用いた蔵や塀なども点在し、路地に変化のある奈半利の町並み景観を豊かにしています。
土佐漆喰
漆喰は塗壁(左官工事によって仕上げられた壁)の材料の一つです。
消石灰(地灰)に発酵させたワラすさを加えて水でこねたもので、水に濡れても戻りがなく、厚塗りが可能で、きめが細かいなどの特徴があります。
塗った時は乳白色ですが、時間の経過とともに、真白に変わっていきます。
水切り瓦
風雨が激しい土佐の地域独特のもので、水切り瓦の小さな庇は壁面へ直接雨がかかるのを防ぎ、漆喰の白壁を保護する役目があります。
大きな白壁を横に走る黒と白の水切り瓦のラインは、デザイン的にも美しく、壁を伝う雨水を中へ浸入させないように、汚さないようにつけられました。
海鼠(なまこ)壁
土蔵や塗屋などの外壁に方形の平瓦を貼り付け、その目地を漆喰でかまぼこ形に盛り上げた壁です。
瓦の置きかたや、漆喰の盛り上げ方などで、いろいろなデザインのなまこ壁がありますが、奈半利では左の写真のような方形が横に並ぶ一般的なものが見られます。
石塀
石塀には、丸石を赤土で積み上げたものと、浜石を半割にして小口を見せたものの2種類があります。
厚さが50センチもある石塀も見られ、上部には水の浸入を防ぐために瓦屋根を置いています。
外観も美しく、耐震性にもすぐれています。
レンガ蔵
レンガを用いた蔵や塀が見られるのも、奈半利の特徴です。
赤レンガの多くは、阪神地方に木材を運んだ船が、帰りにバランスをとる為に船底に積んできたものです。
by Network Communication Note