2020年7月13日(月)
個体レベル免疫と社会レベル免疫を両輪として考える #医療 新型コロナウイルス拡散状況の指標に、漠然とした感染者数を用いて、一喜一憂することは、間違いです。
体調不良であれば、家に留まるか、診療に行かれるでしょう。濃厚接触者としてクラスターを追うことは意味がありますが、感染者が多くなってくると限界に至ります。そんな中、感染していても無症状の者が意外に多く、『無症状病原体保有者』が感染拡大のキーと、ようやく認知されるようになってきました。
病原体保有者(感染者)
①重症者
②軽症者
③無症状病原体保有者…感染拡大のキー
病原体非保有者
④抗体保有感染経験者
⑤抗体非保有感染経験者
⑥非感染者
※現時点では、ワクチン接種者を考慮しません。
新型コロナウイルスに感染した人が、体内に抗体を保有する期間は3ヶ月程度との報告が相次いでいます。ウイルスが体内に無ければ、無駄に抗体を作らないのです。その代わり、免疫記憶といって、次回の感染に備えてすぐに抗体が作れるように、感染したウイルスを覚えています。免疫機能は、年齢とともに落ちていきます。なお、人種間で、免疫システムの基本は同じでも、対象の範囲や能力は、遺伝的に差があります。免疫は風土病に深く関わっています。
さて、新型コロナウイルスの終息とは、ほとんどの人類が③~⑤となり、免疫によりウイルスへの抵抗力を備えることです。ワクチンで人工的に終息状況をつくり出してみても、一時に過ぎません。変異を止めないウイルスに、ワクチンが追い付くことはありません。ワクチンは、絶対的保障ではなく、単なる気休めと思う方が無難です。ワクチン開発は重要で必須なのですが、ワクチン至上主義に偏り過ぎた報道に、釘を刺しておきます。
市中にウイルスが常在することで、体内での抗体生成が維持されます。同ウイルスで再発症せず、ウイルスの変異にも対応していく『社会レベル免疫』が重要になってきます。何年も掛かる話です。
新型コロナウイルスが、全世界に広まってしまった現状では、封じ込めはあまり意味を成しません。日本は、感染ピークを低くして後にずらす作戦が成功しているので、皮肉にも長期化になるのは否めません。机上論では、ワクチンが短縮に役立ちますが、不確定要素です。自分たちが「風邪ひいた」と言えるレベルに落ち着くまで、無謀な行動を慎むことが大事です。東京オリンピックの実施は、あまりにも無謀です。
なお、日本政府が行ってきている重篤患者の治療に重きをおいた政策には、意図的か偶然かいずれであれ、自分は評価します。クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号における対応、PCR検査や抗体検査のあり方、経済活動をズタズタにした非常事態宣言や休業要請や給付金の政策は、最悪であったと思います。
(1)
重症者を救う。
(2)
無症状者によるウイルス拡散をコントロールする。
(3)
条件付き給付でなく、全員給付をすみやかに何度でも実施する。
(4)
軽症者を重症にしない。
(1)は、免疫力が弱くなった老人、免疫力が確立していない新生児、基礎疾患を持つ者が対象となります。免疫力が確立していない新生児、妊婦及び胎児への対策は、あまり聞こえてきません。国が先導すべきです。
(2)に重きを置く時期に来ています。日本国民全員にPCR検査できないのであれば、東京都民全員に抗体検査すべきです。今となっては、日本の行く末は、悔しいですが、東京次第です。人の行動を支配するのは『自覚』です。他人である日本政府や自治体が、どうやって個人個人に自覚させるかが政策です。
(3)は、少なくとも1年間は必要と思えます。
(4)は、研究が進んでいるように思えます。
新型コロナウイルス対策に対しても「やってみなければ分からない」と発される輩が数多く出てきました。自分はこの言葉が嫌いです。「やるならば真剣に考えろ」と言いたいです。(自分に対する反省の意味を込めて)
P.S.
自分は扁桃腺を小学2年生のときに切り落としているので、インフルエンザなどが流行ると、真っ先に掛かってしまったものです。大学時代に1回、会社員時代に1回、1週間寝込んだことがあります。不思議なことに、高知県に移住してから20年間は、風邪で寝込んだことはありません。(怪我などで寝込んだことは、幾度もあります。)
高知県に移住するまでは、人との接触が極端に多かったと思います。ストレスもかなり感じていて、身長175cmに対して体重105kgまでデブってしまいました。きっと、免疫力が低かったでしょうね。
高知県では盃自体を差し出したり頂戴する『返盃』があります。目上の人に先に盃を差し出すのが礼儀と教えられましたが、要は仲良くなりたい人に盃を差し出すのです。男女関係無しで行い、酒を酌み交わすのとは、文化が異なります。今は禁止になっていますが、当たり前のように楽しくやってきました。普通で考えると感染の原因になりますが、単なる回し飲みと異なり、サッと一気に飲み切って、雫をピッと切ってから盃を返す所作は、意外とそうならないのかもしれません。そう思っていても、これからは返盃できませんよね。