2019年10月9日(水)
のの字掛け(一教表 押し倒し) #■合気道 手刀の捌きにおいて、『しの字掛け』が理解しやすいだけに、『のの字掛け』はややこしいと言ってなかなか練習してくれません。しかし、そうも言っていられません。無理やり練習してもらうと、何とかなるものです。
『一教表押し倒し』は、言わばレッスン1なので、一番最初に教えるべき技ですが、次の理由から難しいようです。
①のの字掛け系統の技。(「し」より「の」が文字としても難しい)
②押さえ技なので力技と感じてしまう。(投げ技ではない)
③入身転体が顕著な技。
見よう見まねで「の」を手刀で描いてもらうと、ほとんどの方が、子どもが書く「の」になっており、ぐるぐる回したものになっています。
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×子どもが書く「の」
223
2 1 3
2 1 3
2 1 3
1 3
○大人が書く「の」
333
3 1 3
2 1 4
2 1 4
1 4
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合気道の『のの字』は、大人が書く「の」の通りに意味があります。『一教表押し倒し』で説明します。
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(1)入身転体
(2)外し
(3)しゃくり
(4)浴びせ
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(1)入身転体
入身転体は、攻防一体により、相手の体を前に崩します。まず、手刀により、相手の攻撃を逸らして、相手の腕を壁にして自分の体を除けます(肘触れ、山越え、浮身)。その後、手刀を繋ぎ、相手の心臓を浮かして前のめりにします(上澄み取り)。
相手と同じ方向になるように後ろに向くのが疑問な人には、後ろ斜めに捌くぐらいで始めてもらって、納得いくように調整していきます。型ありきでは、何でそうするのが良いのか分からないものです。
(2)外し(3)しゃくり
合気道の動作は、一動作と思えるものを、実は二動作で行っています。入身転体で相手を流したあと、一気に相手の肩の方向に攻めるのではありません。相手の外側に手刀を逸らして、相手の肩への道をつくります。手刀で、相手の肩の方向に攻めるのではなく、相手の肩を軽くしゃくります。「の」の頂点が区切りではなく、頂点を越えて区切りとします。
(4)浴びせ
相手の腕を押さえるには、腕力でねじ伏せるのではなく、相手の腕に、自分の体重を預けます。大きな力が発生しますので、力技と感じられることが多々あります。