ガレコレ
Garage Collection
 
2019年1月21日(月)
合気上げ #■合気道

 一番弟子である新徳くんは、合気道未経験者の初日に『合気上げ』を教えることに拘っています。合気上げは、気の鍛錬としてではなく、手刀の練習として行っています。基本的に、お互いに座して、相手に両手を掴ませ、手刀を使って相手を崩します。

 教えられた方は感動していたので合格点としますが、まだまだ粗っぽさが目立ちます。当の本人も分かっていることなので、合気上げのレベルアップを近々の課題として、前回土曜日の練習は合気上げを中心に練習しました。


1.手刀を立てる

 まず、手刀を立てなさい。寝ている手刀は、死んでいる手刀です。手刀を立てるということは、手の平に力を込めて開くことではなく、親指を天側にすることです。力を出すには、親指を別けて天に向けて『一指四指の手刀』で行います。

 手刀を立てることにより、相手の手の平に空間が生じ、相手の握りが緩みます。同時に、親指と人差し指の輪で持たせることにより、力が出せず離れずの状態になります。相手と自分の腕が捻じれながらねっちょりと繋がって、相手の肘を釣り浮かしたり、外し落としたりできるようになります。持ち手でなく、突きや打ちでも、同じ状態をつくり出します。

 『手刀の反し』という表現に惑わされて、手刀をくるくる回転させてはいけません。薬指を軸に、船の復原力をイメージして、手刀が傾き、極で止まり、戻ります。


2.二段階で肘を攻める

 「肘の方向に攻める」という表現をしばしばしますが、この表現では再現できませんね。反省。

 相手の肘を、張ったのち緩めてから、反しに行きます。相手の肘の方向に直接進まず、反対方向にすかしてから、本来攻める肘の方向に進みます。

 合気道の隠し味は、一動作に見えても、微動な二動作以上から成り立っていることです。練習では、理解するために、技が掛かるギリギリまでデフォルメ(誇張)しています。実際の技では、何でこけたのか分からず、外から見ても一動作にしか見えません。

 簡単に言えば、ぶち当たって動かなかった相手の肘も、軽くワンクッション入れることにより、動き出します。


3.左右の手刀の役割が異なる

 左右の手刀の役割が異なります。柔道で例えると、『釣り手』と『引き手』と言えば、分かりやすいかもしれません。


4.左右の手刀がずれて動く

 両手で掛けますが、同時には動いていません。右が動いて左が動いてを繰り返します。相手が右に気を取られている隙に、左が動き出すという要素も含んでいます。


5.効かせる部位または空間

 手刀の攻めで動く相手の部位とは別の本命の部位または空間に攻撃を効かせます。例えば、相手の左肘を浮かせたとき、相手の背面右側に効かせます。


6.波で相手を倒す

 上記の5つを統合して表現するならば、いろんな波を寄せ集めて相手を崩し、最後に大波でさらうようなものです。


 まあ、理論理屈を頭では分かっていても、意味のある反復練習をしなければ、身に付きません。
 
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