2016年10月2日(日)
捻るのではない #■合気道 合気道では、相手の手首を極めて、相手が落ちる、飛ぶと言う場面が当たり前にみられる。
手首を極められると確かに痛い。その痛さから逃れようとして、膝が落ちたり、体がひっくり返ったりもする。
手首の極め方に、上手い下手はある。しかし、腕力に優れた相手には、手首を捻ろうとしても、ビクともしない。相手の手首に全体重を掛ければ、いかなる大男でも捻ることができるというのは屁理屈で、そんな動きが完了する前に、返り討ちにあっている。
当道場では、小学高学年ぐらいの体格の子供が、大の大人を落とす、投げる術を追求している。道場主である自分は175cmで80kgと、割と体格に恵まれているので説得力に乏しいのだが、理屈と感覚だけで術を繰り出すようにしている。
痛いで落ちたり跳んだりするのではなく、相手に気持ち良くそうなってもらう。
前腕は、橈骨と尺骨の2本の骨で構成されている。手首を下手に捻ると、これらの骨が絡んで1本の紐になってしまう。これでは、腕1/4軸、手刀の帯といった術は使えない。
前腕は、平面であり、橈骨側の辺と尺骨側の辺、外側の面と内側の面をイメージすると良い。紙がヒラヒラヒラリと、どう地に落ちるかということである。
実は、触れている部位、極めている部位から離れたところに働きかけている。こう考えると、極めている手首が、飛び抜けて痛いというのは、過ぎたるは猶及ばざるが如しとなりかねない。
どうして落ちたのか、どうやって飛んだのか分からないという技を目指そう。