2016年7月28日(木)
二軸法 #■合気道 合気道の武器は、手刀、重力、そして騙しである。
二軸法は、騙しに深く関与している。
[レベル0:中心軸]
速さと力強さを求めるならば、中心軸(一軸)での回転や捻りを追求すれば良い。
[レベル1:竹馬]
二軸は、眼→心臓の表面→大腰筋→内股→踵→足の薬指で連なる。なお、当道場で言う心臓とは、実際の心臓付近にある架空の拳大の空間を意味する。軸は、物理的には直線では無く、歪んでいる。
『歩み』で、二軸法の感触を知る。
心臓の下を股として、骨盤と脚を同時に出し、二軸を交互に切り替えて、竹馬のように歩いてみる。軸は、回転では無く、進むものだと気付くはずである。
[レベル2:瞬間的方向転換]
軸を意識で切り替えることで、瞬間的方向転換が可能となる。
『歩み』において、折り返しを、180度転体で行う。回転では無く、二軸を切り替える。
[レベル3:軸の消滅と反発]
軸を移した際に、元の軸を一旦消滅させ、今の軸を吸い寄せる。今の軸が元の軸のあった場所に近づいたときに、元の軸を復活させ、今の軸を別の方向に跳ね返す。つまり、自分の心臓において『レ点の返し』を行う。
相手から見て、月の満ち欠けだけになっていては、上手くできていない。軸を吸い寄せることにより一気に三日月になり、跳ね返って新月になる。
この際、足を引き付けてから進むといった運足になっている。一般的に合気道では、この運足を学ぶ。しかし、運足止まりになっている場合が多く見られ、先に心臓および二軸を意識することを学ぶべきと考えている。運足が先か、心臓が先かと言えば、心臓が先で、運足は心臓に従うことになる。
さらに『柳』の術を併用する。これらを修得した辺りで、統合術である『腰廻し(腰廻り)』について語っても良いかなと思っている。自分の修得度および言葉による勘違いを考慮して、未だ語っていないが、包み隠さず伝えなければいけない陽の奥義と考えている。そして、現在、自分が教えることができる終着点であろう。これに気づいているから、自分の合気道に自信を持っていると言える。
P.S. 当道場では、「ついさっきまでの自分と、今の自分の差を感じ取れる習練」を掲げている。1つの術を理解したとき、途轍もなく強くなった気分になる。しかし、その術1つだけでは不足であることに気づき、戒めとなる。
深い深いと眺めているだけでは、本当の深さを味わうことができない。1つ1つ術として解き、漠然としていた合気道の輪郭が見えてくれば、楽しくなってくる。
分からないと呟くとき、今までの経験から来る拒絶の場合が多い。逆に、経験の少ない子供が、素晴らしい動きを見せるものである。歩き出したばかりの幼子の歩きは、純粋な『歩み』であるので、一度参考にしてほしい。