2016年5月23日(月)
空間を味方に付ける #■合気道 合気道は、相手が攻撃してきたのを躱して技を掛けるのではない。相手に打たせる、掴ませるのである。こちらの思惑通りに、しかも中途半端に。そんなことはできるのかと、白けないでほしい。
「奥義を練習することに時間を使いなさい」と故先生が常におっしゃっていた。
一見、無理そうなことも、合気道以外のことで説明すると、しっくりくることもある。
ポジショニングが大事と言われるが、おそらく、この言い方だと、目の前の敵と自分の間合いの関係でしかない。
囲碁の世界で、相手が堅実に打ってきた石に対して、たった一手で背後にバーンと地が広がることがある。逆に言えば、背後に広がる地が、その一手の石を支え、光らせている。
合戦で、背後の山や川が、地の利となるだろう。背水の陣は、決して不利な戦法でもない。
人付き合いでも、バックが見え隠れすると、かなり影響する。
つまり、戦いでは、自分の背後の空間が大事であるということである。
合気道では、『半身[はんみ]』と『楔の四線』で、自分の背後の空間を大きく見せて、これを活かす。
『半身』は、一般的な用語なので、そんなに説明はいらないだろう。斜に構えるとだけ、ここでは述べておく。
『楔の四線』は、当道場での造語で、相手の両脇と心臓の表面を通る四つの平行線を意味する。左、中、右の3つでは、合気道は語れず、おそらく他の武術でもスポーツでもそうであろう。心臓の表面をそのまま降ろしていくと、脚の内側となり、この線が見えない限り、無意味な動作になると断言する。
この2つの要素を熟知して使いこなせば、自分の背後の空間を相手に感じさせることで、相手の出足を止めたり、片側からの攻撃をやりにくくしたり、攻撃を躊躇させたりできる。相手の攻撃を狭めて、打たせる、掴ませるのである。
P.S. 上記で説明した空間は、自分の空間である。その他、相手と自分の『共有空間』、ゼロレンジでの『拳大の空間』を稽古している。
P.S.2 今年から通年でメインのお仕事としているプログラミングが、ようやく一段落したようなので、合気道のブログを進めている。