2015年1月24日(土)
[510] 合気入身投げ #■合気道19:00~20:20/岩瀬、新徳
テーマ: 故師範は、「合気柔術を練習しなさい」「大東流合気柔術を学びなさい」と、よくおっしゃられていた。
合気道の繊細な力の移り変わりを真似ようとしても、なかなかできるものではない。教えるためにデフォルメしていくと、実は柔術になる。逆も真なりで、柔術における原理をしっかり身につけていれば、合気道に通じる。
柔道では、組手により、相手を絞り浮かし、相手の動きを封じ、崩してから技に入る。合気道でも、柔術でも、この絞りと同様な原理で、相手を浮かしている。
不思議なもので、大きな力を使いたければ大きな動きが必要となり、小さな力を使おうとすれば小さな動きが必須となる。小さな力で済ますには、代わりに大きな動きが必要という考え方は誤っている。
合気道の技は、単調に巻き込んでいるように見えるのだが、相手と接している手刀で、空間的移動を伴わない押し引きや浮き落としが繰り返されている。外見では分からず、掛けられた者も研ぎ澄ましていなければ、どのように投げ飛ばされたのか分かることもないだろう。
【流し表】
・手刀を、心臓の表面のライン(大腰筋の軸)で、下からふっと出す。
・手刀の反しによって、レ点の返しを行う。
・手刀を立てて行う。
×手刀を斜めにしたり、寝かせたりするのではない。
・相手の腕の上に被せ、下にあてがい、再び上に被せる。
・手刀の上下は、触れて力を伝える。
×上下に移動するのではない。
×上から押し付けるのではない。
×下に引き下げるのではない。
・極の手前で、手刀の反しが始まる。
×極において、手刀の反しが行われるのではない。
【合気入身投げ】
・白波の軌跡において、手刀の小指が、相手の鼻穴から目尻にかけて移動する。(手刀の薬指が、相手の片目をかすめていくのに伴う。)
・手刀の手首以降が、相手の人中を捉えている。
×手刀が下がっては、効かない。
・手刀は、相手に立体的に見えなければいけない。
×相手に掌がまともに見えるような平らではいけない。
・相手は、近い方の足を残して、斜めに浮き下がるようになる。
・レ点の返しで、相手の腹側半分の上澄みを貰ってくる。
×手刀で相手を絡めたり、巻き込んだり、押し切るのではない。
・柔道で言う所の絞りの効果に相当する。
・貰ってきた上澄みを、相手の背面に返す。