2014年4月19日(土)
[446] 手刀の反し #■合気道19:00~20:40/岩瀬、新徳、黒岩
テーマ: レ点の返しは、相手の体に力が到達する遊びに働きかけ、相手の復元力を利用する。車のハンドルの遊びをイメージすればよい。返しは頂点を持たず、丸みがあるので『し点』とも呼べそうだが、イメージ的には、『レ』に近く、『し』では下手な勘違いを生じさせてしまう恐れがある。何より、漢文でお馴染みの響きが心地よい。
【流し表】
・離れない手刀を練習する。
・片手持ちではなく、相手に手刀で構えてもらうだけから行う。
・手刀を相手の腕の内側下部に、下からサッとくっ付ける。
×振り子ではいけない。
・親指を沈め、相手の腕の下を通り、手首でチュルンと抜ける。
・相手の腕に掛かるテンションを保ちながら、いい高さに誘導し、相手の上澄みを取る。
・相手の腕の内側上部1/4軸(弱い手刀:人差し指)で、相手の腕の下部が開き、相手の腕が斜めになっている。
×相手の腕を、弾いたりするのではない。
×相手の腕を、回転させるのではない。
・相手の腕の下を抜けた手刀は、位置を変えずに、相手の心臓表面に向き、相手の脇が閉じる。
×手刀で、押したり、上げたり、ずらしたりしない。
※下手に動いてしまう原因は、先のチュルンでいい位置になっていないことが多い。
※相手の肩の方向に攻めるという表現がなされていたところは、相手の脇が閉じるという表現の方が近いと考えて、修正している。相手の肩を突き上げても、回してもいいことはなく、その時点から力技となってしまう。
・相手の体から発せられる腕の復元力で、レ点の返しを行う。
・手刀は、始終立てており、船で言うところの舵や艪のように扱う。
・手刀の薬指の第二関節で、丁寧に移動する。
・手刀は、一旦外側120度を向く。
×いきなり、相手の腕を、引き込もうとしない。
・体は、タイミングよく、相手の心臓表面の二本線を、移動する。
×前の足を軸にしてしまい、回転してしまいがちである。
・上記の2動作が完了したときに、相手の腕の外側と内側に空間が生まれている。
・外側からのレ点の返しを行う。
・外側の空間を膨らませ、内側の空間をハグするようにして、相手の腕を流す。
※触れているところを直接動かすのではなく、触れているところに働きかけて、反対側を動かす。共有軸をずらす程度に留めて、反対側をブレーキを掛けた車内のように浮かす。
【一教裏】
・山越えの要領で、外から相手の腕に、手刀をくっ付ける。
・自分の腕という線をくっ付けに行くのではなく、自分の手刀と体でつくる空間をくっ付けに行くようにする。
・手刀の位置をそのままに、相手の心臓表面に向ける。
×相手の腕を押し込んだりしてはいけない。
×相手の体へ押し込んだりしてはいけない。
・手刀の位置と向きをほとんどそのままに、自分の体を相手とL字になる位置に移動する。
・手刀の向きを、共有空間に向ける。
・89度(便宜上の角度)で、相手の脇を閉じるように攻めている。
×ちょうど90度では、面白くない。
・相手の手首側にある手刀が、チュルンと共有空間に滑り落ちる。
×落ちっぱなしではいけない。
・相手の腕という崖を、パラグライダーで離陸するイメージ。
×いきなり、相手の腕を捻ったり、引っ張ったりしてはいけない。
・共有空間が減った分、自分の手前の空間が生まれる。
・自分の手前の空間を潰して、0レンジに相手をいざなう。
※右手刀と左手刀が同じようにして動くことはない。左右役割が異なっているからである。ピアノで言うと、ユニゾンではない。
※一教裏は、「相手の肩の方向に攻めて、相手の肘を取り、これを反す」と表現されがちであるが、故師範から教えて頂いていたものは、明らかに異なっていた。誤っていることを自覚しながら教え続けるしか能がなかったことを、本当に一生懸命であったかと度々反省する。
【山越え】
・練習の最後は、新徳くんが、黒岩さんの進歩チェックとして、山越えを行ってきている。
・今日の練習が効いたのか、全体的にレベルが上がっていて、驚かされた。いよいよ、黒帯を出す日も近いか。
・手刀が相手の腕を越えて、滑り降りるときに、手刀を寝かせてしまうと、容赦なくパチンと手刀が叩かれる。おお、スパルタ式だねえ。まあ、笑いながらやっている。
P.S. 受け身の練習時間内に行いたいところである。