2013年12月24日(火)
[419] レ点の返し・ゼロレンジ #■合気道19:05〜20:50/岩瀬、新徳、見学者女性2名
テーマ:レ点の返しの感覚をつかむ。ゼロレンジの感覚を学ぶ。
合気道では、左右、上下、遠近の動きを学んでいく。遠い間合いで相手を無重力空間にいざない、近い間合いで相手に何もさせない。中途半端な間合いでは、殴る蹴るほうが強い。当身による崩しは、中途半端な間合いを御破算にするためと考えている。
遠い間合いをロングレンジと一般的に呼ぶ。合気道の攻防は、殴る蹴る間合いよりはるかに遠く、攻撃を受けずに攻撃できる理由の1つであり、これを意識して練習してきている。へっぴり腰にならず、小手先だけにならないように注意する必要がある。
近い間合いをショートレンジと呼ばず、ゼロレンジと呼び、原点という意味を持たせている。ゼロと言っているが、相手に密着するのではない。密着は負である。相手と自分の隙間が、層として、潤滑油やクッションのように働いてくれる。離れてもダメ、ぶつかってもダメで、こぶし1つの空間に相手の一部を滑り込ませる。
同じ調子で進ませるには、それなりの力を加える必要がある。レ点の返しで、相手が気づく前に、ベクトルを変えて、増幅して繋げていく。遠心力で、ブン投げるのではない。故先生のシャッとした投げを思い出す。
見学者:回転投げから参加。他に、歩み、前襟落とし、杖の使い方、剣の弱点を紹介した。
【歩み】
【流し】
【転開】
・手刀と足の位置と方向は同じ。
×大きく捌くことはいいことだと、安直に手刀を振り回してはいけない。
・丁寧に相手を捌くとは、ゼロレンジでできる空間(以後、ゼロの空間)に相手を滑り落としていくということである。
【一教表
押し倒し】
・相手の肩を折り畳み、レ点の返しで肩を開く。
×相手の肩を回すのではない。
・相手の腕を皮切りに、相手の体をゼロの空間に滑り落とす。
【入り身投げ】【合気入身投げ】
・相手の遠い肩と顔の間に手刀を差し入れ、手刀を反す。
・相手の近い肩を吸い寄せて崩す。
×相手の遠い肩を振り回すのではない。
×突き進んで、相手を押し倒すのではない。
・相手の体の上澄みを、ゼロの空間に滑り落とす。
・前からの攻撃なのに、後ろから車で跳ねられた感覚。
×相手の首を刈るのではない。
×相手の体を押し倒すのではない。
【呼吸投げ】
・レ点の返し2回、ゼロの空間がシンプルなので、理解しやすいが、それ故に正確に捌かなければいけない。
【裾払い】
・相手の前足から払う。
×最初から相手の後ろ足を払おうとすると、相手を呼び込んでしまう。
・ゼロレンジで、相手を舐めていく。
【小手投げ】
・レ点の返しの連続なので、練習に最適だろう。
×相手の手首を捻って極めようとばかり考えてはいけない。
【回転投げ】
・相手の腕1/4軸に働きかけ、レ点の返しで、相手の腕を包み込むようにして押し動かす。
×横に払ったり、引っ掛けたりしてはいけない。
・相手の肩を、ゼロの空間に滑り込ませる。
・相手の肩が落ちたところで、レ点の返しで、前に送り出す。
×相手の腕を極めて、廻し投げるのではない。
・ゼロの空間から出るときは、大気圏に突入しようとしていたものが、大気圏に弾き飛ばされるような感覚。しかし、レ点なので入射角と反射角は同じではない。
P.S.
新徳くんが、ホールケーキとシャンメリーを買ってきてくれた。贅沢にもケーキを半月にして食べた。お腹いっぱい。