ガレコレ [Garage Collection]
2022年9月13日(火)
入身について #■合気道
【入身】

 『入身』とは、相手の空間に自分の空間を進める動作であり、武術全般の専門用語です。ぶちかましやタックルも入身と呼べますが、合気道の入身とは一線を画します。

 合気道では、『入身転体』『入身投げ』『入身捌き(体捌き)』という専門用語で使われます。当道場では、これら3点に限定して、『入身』という言葉を使用することにします。あれもこれも入身と言うと、像がボヤけてしまうからです。



【入身転体】

 『入身転体』は、入身と転体で構成されています。この合気道独特なコンビネーションで、『攻防一体』を実現しています。

 入身は、物理的には相手に近づくのですが、相手の攻撃の間合いから言えば、相手の攻撃を遠ざける技術です。

 相手と接触する前に、仕掛けがあります。<六線の奏><影踏み><二軸の切り替え>などを使って、間合いを騙します。相手に中途半端な攻撃を出させて、その攻撃を制しながら、入身します。

 突き・打ちと接触する際、表技も裏技も、手刀で相手の肘を下から斜めに少し押し返すように触れます。持ち手では、<半手解き>にて、相手の肘に働きかけます。相手は<弱い手刀>、自分は<強い手刀>で、相手と自分の心臓の表面を繋げ、相手と自分を共に<微重力空間>にいざないます。相手は少し浮き、入身する通路の空間が生まれます。

 通路ができても、無闇に突っ込めば、相手は対応してきます。<二軸の切り替え><柳><浮き身>などで回避して、相手自身が攻撃対象を消し飛ばしたと錯覚させて、入身します。



【入身投げ】

 『入身投げ』は、どの入身をもってそう呼ぶのか考えてみて下さい。その入身は、投げの段階における、最初の動作です。地を要にして扇状に相手に少し浴びせて、相手を崩します。水平に移動しては、ぶつかるだけです。

 故師範は、相手を倒すのにまずやるのは、腕を振り回すことではなく、腰を切ることでもなく、「入身しろ」と口すっぱくおっしゃられていました。



【入身捌き(体捌き)】

 手刀・剣・<仮想剣>による『すかし』と『浴びせ』を意識して、この単独動作を練習して下さい。剣先で突くのではありません。
 
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