ガレコレ [Garage Collection]
2022年8月24日(水)
[1102] 公開練習19時~@ガレコレ店舗 #■合気道
 先週は『表技 入身系 一教 押し倒し』を練習したので、今週は対の『裏技』を練習します。表技は相手の正面側で捌き、裏技は相手の攻撃の外側で捌きます。

 [入身系/非入身系]の技の違いもやってみました。『入身系』の技は、相手をすかして相手の懐深くまで入ります。『非入身系』の技は、相手の手前で捌きます。表裏と入身の組み合わせだけでも、1つの技に4種類のバリエーションが生まれます。

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入(相)入
裏↓ 表
非(自)非
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 また、相手の攻撃を[片手持ち/突き/正面打ち]で練習して、共通と特異点を学びました。

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 [片手持ち/突き/正面打ち]
>[表技/裏技]
>[入身系/非入身系]
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【0. 裏技 一教 引き倒し】

 『引き倒し』と銘打ってますが、引くのではありません。外からの見た目が、引いているように見えるので、『引き倒し』と呼ばれていると理解して下さい。引く動作は、腕力を多分に使ったり、相手を呼び込む危険も高くなります。

 合気道は決して押し相撲ではありませんが、合気道のほとんどの技で「手刀を押し当てる」と言っても過言ではありません。『離れない手刀』は、これで成立しています。

 日本刀における『鎬』を押し当てて滑らせます。『刃』を押し当てるのではありません。手の甲側で相手に圧力をかけ、手の平側で相手を浮かせたり自由落下させます。



【1a. 片手持ち 裏技 非入身系 一教引き倒し】

①相手に片手首を持たせて、<蒲鉾の軌跡>で相手の手前を通過させます。

②手刀は、相手の腕の下に滑り込み、手の平が斜めに天で、相手の外側に逃げます。同時に、体も相手の外側に移動します。この時、手の甲が斜めに天で、引っ掛けがちですが、相手と対立してしまうので良くありません。

 上記の動作で、自分の手刀の上に相手の腕が乗り、浮かせています。

③手の平が斜めに天で上げて、相手の腕の上に自分の手刀が乗ります。つまり、攻めに転じるときに、トランプカードを切り替えるように、相手の腕と自分の手刀が上下逆転することが重要です。下から押し上げがちですが、これも相手と対立してしまうので良くありません。

④相手の腕に手の甲を押し当てて、手の平を天にして、相手の腕を<おひけえなすって>の方向に落としていきます。

⑤完全に落とす前に、外側に開き、最後に手刀を返して、相手の腕を制します。



【1b. 突き 裏技 非入身系 一教引き倒し】

 いつもの様に、<肘にペチョン><山越え><おひけえなすって>をしてから、外側に開きます。

 子どもが描く丸い「の」の字ではなく、大人が描く幾つか変曲点がある「の」や「し」の字をイメージしてみて下さい。



【1c. 正面打ち 裏技 非入身系 一教引き倒し】

 相手が振り下ろそうとした瞬間、手刀を擦り上げて、一旦止める方法があります。型を覚えるレベル1です。

 上記の軌跡で、相手の打ちに接近するのですが、相手の打ち出しには触れずに、相手に打たせます。打ち下ろし中に、打ちの側面から上に触れる<山越え>を使って、軌道をずらします。日本刀で言う刃には触れません。



【2. 片手持ち 裏技 入身系 一教引き倒し】

 学生時代に、故師範から直接教わった『一教裏引き倒し』が、このバリエーションです。当時は、手刀で相手の肘を攻めることしか考えておらず、相手と力がぶつかっていたものです。トランプカードを切り替えるように、手刀を捌きましょう。

 1a.①②まで、同じです。

 1a.②と③の間に、半身を切り替えて大きく入身して、相手をすかします。持たせている手刀が構え後ろになります。その手刀の位置は相手の尻で、手の平が少し斜めに天となり、相手の背中側半分・左右半分もらうように、相手の心臓の片表面と連携させます。

 なお、手刀で相手を浮かせていますが、手刀に相手を乗せないことが重要です。

 1a.③以降、同じです。



P.S. 一番弟子は、武術ベースが『徒手格闘』なので、師弟稽古では仕手を『突き』にすることがほとんどです。技の理屈を伝えるのに『片手持ち』も利用しますが、『正面打ち』は限りなく稽古したことがありません。

 でも、突きや片手持ちで理屈を修得しているので、ちょっとしたコツを掴めば、正面打ちでも難なくこなせるし、教えることもできています。オナマトペで学んでいた時間も、きっと無駄ではなかったかな?
 
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