ガレコレ [Garage Collection]
2021年1月28日(木)~2月4日(木)
やじろべえ #■合気道
 二足歩行の人間は、足指・足首・膝・股・腰・背骨・首といった縦のラインの関節、および、頭・腕・脚・体のベクトルによって、立位におけるバランスを制御しています。

 それぞれの部位の上手い使い方を研究するのも良いのですが、途方もない時間を費やすことになりそうです。

 そこで『やじろべえ』という考え方を導入します。心臓の底面を支点としたやじろべえで、心臓より下は台座とイメージします。当道場では、心臓から上を『上澄み』と呼んで、これを掬うように扱うと教えています。小さな力で、腰を含む台座を大きく動かすのは、至難の業です。これは、相手にも自分にも当てはまります。

 台座の歪みは、腰と足首に注目します。腰は膝・股・腰・背骨によって、足首は足指・足首・膝によって、状態が定まります。膝はどちらにも含まれるので、いろんな意味で重要な関節です。合気道では正装として袴を身に付けますが、運足と膝を隠す意味でも、理に適っています。

 やじろべえ本体に含まれる首は特殊で、やじろべえを壊すのに使います。

 まずは、相手を崩すときを考察してみましょう。通常、相手は小さい塊として構えてくるので、なかなか崩せません。相手の腕が伸びてきたとき、やじろべえが大きく振れるのを思い描いてみて下さい。相手を大きく崩せるはずです。

 そして、崩したときに振れの極をつくると、相手はそこから体勢を無意識に戻そうとします。しかし、同じ位置には戻させませんし、支点もずらします。振れを繰り返し助長することで、相手は渦に巻き込まれた感じを受けるでしょう。

 仕上げに、相手の頭の重さを使って、やじろべえを台座から落とします。練習では、相手の受身習熟度によって、手加減して下さい。関節技ではなく、相手の体全体を使って技を掛けていると考えてみて下さい。

 自分が動くときの考察は、後日にしましょう。
 
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