ガレコレ [Garage Collection]
2020年3月29日(日)
[基本]相手を動かして出来た空間に入身する #■合気道
 入身[いりみ]の動作は、相手の死角や盲点に、自分の体を置くことです。『置く』と表現したのは、進めると記述した場合、動かなければいけないという概念が生じてしまうからです。相手を十分に動かせば、自分は全く移動せずに、入身することもできます。

 とはいっても、実際は、相手の移動+自分の移動で入身します。自分の移動だけでは、相手の死角や盲点を取ることは難しいのです。相手を動かすことで、相手の死角や盲点も移動して、その空間に入身し易くするのです。

 つまり、入身の動作とは、相手の移動により、相手の死角や盲点を近づけて、自分の移動により、その空間に自分の体を置くことです。

 なお、相手の死角や盲点を『相手の裏』と表現することがしばしばありますが、相手の表にも相手の死角や盲点があり、表技でその空間を利用しますので、必ずしも適切な表現ではありません。

 『合気入身投げ』が最も分かりやすい例です。相手を前方に崩し浮かせて生じた相手の側面から背面の空間に入身して技を掛けます。ラリアットのように、相手の喉から胸にかけてカウンターを喰らわせる力技ではありません。

 当たり前のことですが、相手が止まっていては、安定した姿勢から反撃を繰り出されてしまいます。相手が移動していることが重要で、それも相手の意に反して、体を残して足だけを中途半端に進ませます。相手が後ろ斜めに反ったところで、次の動作により攻撃するのです。

 柔道では、相手を固定した打ち込み稽古は意味が無いと言われることもあります。力を不要とする合気道ならば、なおさらです。相手を動かして隙間をつくり、そこへ自分が入身する練習しましょう。
 
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