ガレコレ [Garage Collection]
2020年1月29日(水)
裏か表か #■合気道
 相手の前で掛けるのを表技、相手の側面や後ろに回って掛けるのを裏技と言います。

 自分は、表技を練習してもらいたいのですが、道場生たちだけで練習をさせると、いつの間にか裏技ばかりになっていることが、しばしばあります。相手の表にいると、次の攻撃が来そうなので、避けている内に、裏技になっていると考えられます。

 表技の練習を推奨するには、理由があります。

①実戦では、相手もそう簡単に裏を取らせてくれません。
②表技の方が、自由度が高い。
③相手の裏は安全というのは神話です。

 ①②は、何となく理解してもらえそうですが、③は難しいでしょう。自分は、練習の中からそう感じています。

 しばしば、相手の裏に入身すれば、相手から攻撃されないと言われますが、間違っています。突きにしろ、打ちにしろ、ナイフや拳銃にしろ、表へ動く者に対しては追尾しやすいが不正確になり、裏へ動く者に対しては可動域は狭いが正確に修正することができます。この真逆な感覚は、長年練習してきた者でないと共感してもらえないでしょう。

 当道場では、裏について「相手の盲点に自分という駒を進めて、相手が攻撃してきた腕を盾にする」と説明しています。裏に移動するのではなく、裏はつくるものと考えてみて下さい。裏という時空間をつくってから攻撃に移っていくことを練習しています。この時空間は、猿真似が出来ません。皮肉にも、型稽古に重きをおくと、抜け落ちてしまう要素なのです。

 たまたま、相手の腕を盾と言いましたが、相手の体のどの部分でも盾に早変わりすれば、それが裏ということです。気が早いですけれど、たとえ触れていなくても可能なことです。
 
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