ガレコレ [Garage Collection]
2020年1月29日(水)
[基礎、基準]受身 #■合気道
 Cuさんがご自身のお店で、前のめりにこけたことから、受身を練習することになりました。

 合気道の練習では『後ろ受け身』『前回り受身』の2つが重要なのですが、生活において『前受身』が最も役に立つと感じています。

 自分は、ふいにつまづいた時、体はすでに飛んでいて、かつ地面に近く、前回り受身が取りにくいので、何度か前受身で難を逃れたことがあります。『捨て受け』という独特な受け身でも。

 Cuさんは、前受身を練習していませんが、とっさに腕を伸ばしてヘッドスライディング気味にコンクリート床に不時着して、シャッターに迫る中、腰を捻ってぶち当たるのを防いだそうです。被害は、前腕の擦り傷とメガネを摺った程度で済みました。

 下手に手を付いていたら、手や腕を骨折していたかもしれません。すでに弾道が低いので、膝を先に付こうとしていたら、逆にどんな風になっていたか分かりません。先に捻れば、背骨や骨盤を痛めていたかもしれません。

 前受身は、体と両方の手・前腕で三角形をつくり、地面にその三角形が付いた時、手に眼・鼻が乗るようにします。手が手前だと、顔を地面に打ち付けます。案外、手を手前に付いてしまいます。それならばいっそ、腕を伸ばした方がマシです。ヘッドスライディングは、有効です。

 なお、受身に基本は無く、基礎および基準と考えています。すぐに壁があるケース、階段を転げ落ちるケース、物が散乱しているケースを考えてみて下さい。受身は、基本一辺倒では役に立たないのです。

 本来は、練習で投げ捨てられて、受身が身に付いていくものなのでしょうが、今の道場生の歳を考えると無茶はできません。でも、前受身の練習が、いい切っ掛けになりそうです。

 受身の基準を、下記にまとめました。

・頭→顔→首→背骨→腰→肩→手足の順に守ります。
・力を止めるのではなく、減衰・拡散・方向転換で、力を弱めます。
・地面に当たる瞬間は、捻らず素直な姿勢で、大きく長く、および時間を掛けます。
・回転は、小さいと早く、大きいとのろくなります。
・地面は、平とは限りません。いろんなケースを想定しておきましょう。
 
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