ガレコレ [Garage Collection]
2020年1月10日(金)
[基本]やじろべえ #■合気道
 合気道は、相手を崩す際に、相手と自分の『復元力』を利用しています。単純には、上下左右に揺さぶっていると考えて下さい。

 人間が直立すると、全身の重心は、大人ではへその高さになります。体格によって異なります。小さな子どもでは心臓の辺りになり、成長に伴って重心は降りていきます。

 一方、やじろべえが成立するには、支点より重心が下にある必要があります。

 相手を動かそうと、支点をへそ(腰、臍下丹田など)に設定しては支点=重心となり、相手のやじろべえが成立しません。つまり、相手の体重をすべて動かすことになり、重いのです。

 上半身(へそから上)の重心は、心臓辺りになります。子どもでは、少し上になりますが、それでも首までには至りません。

 相手の心臓を支点にした場合、全身の重心は支点より下にあり、腕でバランスを取らせることにより、やじろべえが成立します。

 やじろべえには、もう1つ重要なことがあります。必要以上に力を掛けると、支点がずれて、やじろべえは落ちてしまいます。

 これは、相手に必要以上に力を掛けてしまっては、相手が足を運んでしまうことを意味しています。まあ、出足払いなら、これを狙えば良いのです。

 やじろべえが有効な範囲で振れば、支点も土台も動きません。

 つまり、心臓をやじろべえの支点とした場合、心臓も腰も動きません。もともと心臓周りは肋骨に囲まれているので、可動範囲(遊び)は小さいのです。

 実際には、相手の心臓は移動するのですが、その大きさはその時次第です。

 当道場では、「心臓に効かせて、心臓を動かす」ことを、初めに教えますが、やじろべえの原理を踏まえて、腰ではなく心臓としたのです。

〇やじろべえの原理
・支点は心臓(正確には、心臓底面)
・土台は下半身(正確には、心臓底面より下)


P.S.
 
船の復元力も合わせて考えるといいですね。
 
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