ガレコレ [Garage Collection]
2019年10月6日(日)
『しの字掛け』と『のの字掛け』 #■合気道
 故師範が、「手刀の捌きは、しの字と、のの字。」とよくおっしゃられていました。手刀の軌跡が『し』または『の』になっていれば良いというものではありません。

 手刀は、複雑な要素で成り立っています。

○腕全体
 ・手刀の軸は、線状ではなく、帯状。
 ・強い手刀:心臓側面→肩甲骨下→腕1/4軸外側下部(脇→肘→手首)→薬指
 ・弱い手刀:人差し指→腕1/4軸内側上部(手首→肘→肩)→胸→心臓側面
 ・自分の強い手刀と相手の弱い手刀を繋ぐ。
 ・相手をおひけえなすってにする。(相手の手の平が天。相手の弱い手刀の軸が相手の心臓側面のライン。)
 ・なお、相手との接触点が腕以外の場合、相手の心臓側面へ胸側より繋ぐ。
○手刀のつくり
 ・五指の手刀
 ・一指四指の手刀
 ・蕾の手刀
 ・開きの手刀(上腕三頭筋を一瞬使う)
○手刀の角度
 ・手刀を立てる
 ・親指を天
 ・手の平を天
 ・手の平を地
 ・薬指を喫水とした復元力
○手刀の方向
 ・斜めと相手の方向へが重要。
 ・自分の手刀に、相手の手刀が絡む。

 これらの要素を、しの字掛けとのの字掛けで練習します。技の系統を大きく分けると2種類ということです。



【しの字掛け】

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①相手に相反する手で、手首を掴ませる。
・相手の肩をしゃくる。
②手の平を天にして、相手の前腕の上に手先を全部乗せる。
・胸の高さを維持して、互いの腕を繋げる。
・筆に例えると、自分の腕が軸(筆管)、掴ませている辺りが軸際、相手の肘が筆先。
・相手の肘で空間に短い線を引くようにして、相手の上澄みを前方に取る。
③手刀を内側に半分ずらして、さらに相手の上澄みを前方に取る。
・手刀で引き込むのではなく、手刀を相手の前腕に預けていく。
④手刀を立てる。
・薬指を喫線として復元させる。回転ではない。
・知恵の輪のように、相手の手首と前腕に対して、自分の手先が抜け入っていく。
⑤手刀を反していき、手の平を地にする。
・相手の反対側の肩が、体へ沈む。
・相手の体が、外側に開いていく。
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 丸数字が、『手順』です。掛けられて体感した『効果』の発現を練習します。

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①掴ませる→②全部乗せる→③半分ずらす→④立てる→⑤反す
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 黒点がコツです。『手順』を『コツ』により、滑らかに繋げた『流れ』が、基本と呼べます。基本は手順であると勘違いしてはいけません、手順は、あくまでも基礎であり、道筋を示したものに過ぎません。

 ①で、相手に両手で掴ませる場合、上記で省略した『手解き掛け』と『左右の飛び(マッシュルームの軌跡、旧かまぼこの軌跡)』により、相手の主の手を下、相手の副の手を上にして、自分の手刀を間にします。例えるなら、縦置きのサンドウィッチではなく、横置きのハンバーガーです。



【のの字掛け】

 のの字は、指導者練習を開始したばかりなので、公開練習に供してから記述することにします。ちなみに、一教表押し倒し、一教裏引き倒し等が、のの字の系統の技です。
 
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