ガレコレ [Garage Collection]
2019年9月7日(土)
しゃがみ入身投げ #■合気道
 入身投げのバリエーションなので、技の理屈は、今までと同じです。相手の攻撃をしゃがむことによって躱すことを導入部分としています。

 ポイントは2つあります。

(1)
 
相手の視界から消える。
(2)
 
すばやく動く。

 なんだ、結局スピードかいと思われたと思いますが、そうではありません。スピードを出す方法、活かす方法があります。

 例えば、相手が渾身の右フックで決めに来たときに、殴られて後退してしまったら、滅多打ちに遭います。その右フックに当たっても、前に沈めば、ダメージが少なく、相手の拳は自分の背に抜けていきます。相手が倒したと勘違いを誘うかもしれません。相手の懐に、いとも簡単に入れます。

 しゃがむ動きは、幾つもの動きが同時進行なので、ポイントとして整理します。

①相手の攻撃と反対の脚を、斜め前に半歩出す。
②膝下を垂直にする。
③太腿は、膝に向かって緩い下り坂。地と平行にしない。膝をくの字にしない。
④頭の重さで、上体を沈める。
⑤上体が太腿に乗り、背中が平。あばらと太腿で、生卵を押し潰す感じ。
⑥上体は後ろ足側が浮き、軽く捻じれている。
⑦太腿側の腕は、脚の外側。
⑧反対側の腕は、脚の内側にあって、相手を狙っている。
⑨顔は、軽く相手側に向いて、視線で相手を捉えている。
⑩尻は、後退する。
⑪あとは、枝葉末節。反動で上体を起こすときに、入身投げ。

 動きは、極めて直線的です。円の体捌きと言って、上体をぐるぐる回すのは、スピードが出ないばかりか、騙しにもならず、誤りです。

 膝を折り、腰を深く沈める方法は、筋力に頼ってスピードを出せます。しかし、このしゃがみは、相手は目で追うことが可能です。騙しに不十分さを感じます。

 数多くの合気道家が、上記のように捌いてしまっています。慣れとは恐ろしいもので、時に盲目にしてしまいます。

 カウンターを貰うのではとのご指摘はごもっともです。最初から、しゃがむつもりで行えば、喰らうでしょう。相手の軽いジャブには、無意味です。前蹴りに自信を持っている相手は、常に前蹴りを狙っているので、不適です。

 しゃがみは、あくまでもバリエーションです。どんなときに有効かは、反復練習の中で探ってみて下さい。しゃがみに0.2秒、起こしに0.2秒、合わせて0.5秒未満の電光石火な技です。
 
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