ガレコレ [Garage Collection]
2019年8月5日(月)
手刀の妙 #■合気道
 合気道と言えば、相手に触れずして投げ飛ばすといったイメージがありますが、それをいくら真似て練習しても、修得できるものではありません。

 『合気の術』の前に、『合気柔術』の修得を目指します。

 『柔術』と『合気柔術』には、明白な違いがあります。柔術では掴み、合気柔術では手刀[てがたな]を駆使します。合気道は何でもありなのだから、掴んでもいいだろうと思われたでしょう。合気道は、柔術、合気柔術、合気の術をすべて含んでいます。だから、掴んでも誤りではありません。しかし、掴むことは、少なからず腕力が必要になってきます。腕力をほとんど使わない『合気柔術』を練習しましょうということです。

 手刀のつくりは、開きで『五指の手刀』『一指四指の手刀』、閉じで『蕾の手刀』が、代表的な3つです。指先に方向性があります。ここでは、説明を省略します。

 『手刀を寝かす』『手刀を立てる』を説明する必要があります。

 『手刀を寝かす』は手の平が地に平行になっている状態で、手の平が天、手の平が地のいずれかです。相手の腕と自分の腕を繋ぐ手刀です。

 『手刀を立てる』は、手の平が地に垂直になっている状態で、親指が天、親指が地、四指が天、四指が地です。相手の腕と自分の腕の繋がりに変化を与える手刀です。

 手刀の立てと寝かしを切り替えることを、『手刀を反す』と呼びます。手刀の回転の軸は薬指にあり、立てから寝かしに移っても復元力があります。船が傾いても、元の真っ直ぐに戻るような感じです。決して、腕の中心で回転させるのではありません。

 相手と接触する瞬間は、手刀を立てます。手首を掴ませてから、手刀を寝かせて、お互いの腕を繋げます。突きに触れてから、手刀が拉げて寝て、お互いの腕を繋げます。最初から手刀が寝ていては、相手の腕力に負けます。

 手刀の妙は、手刀の寝かしにあります。剣道において、竹刀を寝かせても効果は期待できませんが、日本刀を寝かせることは意味があります。手刀の寝かしは、相手の攻撃を寝かす効力があります。
 
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