ガレコレ [Garage Collection]
2019年6月19日(水)
直突き小手返し #■合気道
 初心者には、技として、呼吸投げ、側面入身投げ、合気入身投げを教えてきました。合気道は、力技ではないことが理解できたと思います。

 合気道の代表技として『小手返し』があります。小手返しは、関節の極め方に優れており、四方投げとの変形も容易く、様々なバリエーションが考えられます。自分は、小手返しを、投げる方向で3系統(相手の背面・側面・前面)に分類しています。

 小手返しは、古くは『木葉返し』とも呼ばれています。当道場では、投げる方向が相手の前面の系統で、手首関節を極めるのではなく、「ひらりひら」と相手の手先が風で落ち葉が舞うような小手返しを第一に据えて練習しています。

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(1) 相手が、右直追い突き。
(2) 相手の突きが出切る前に、相手の肘(前腕の外側下部)に対して、右手刀を下からサッと触れ、接して手先が潰れて斜めにぺチョンとくっ付きます。
(3) 山越え(詳細省略)
(4) 山戻り(詳細省略)にて、相手の上澄みを取ります(詳細省略)。
(5) 左手刀に持ち替えて、相手をおひけえなすってのポーズ(詳細省略)にします。
(6) 相手の腕を開放して相手に返すも、相手の肘は相手に返さず、自分の方向に少し貰います。自分は、相手の腕の下をすり抜けるようにして、共有空間に移動します。
(7) 相手の前腕を立てたまま、相手の肘を緩く曲げて、相手の肘が前に進むように自分がいた場所へ進めます。
(8) 相手の親指が地に進むように、相手の腕を降ろして、元自分がいた空間に投げます。
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 (5)~(8)で、あえて手首を捻りませんが、相手の攻撃を抑制するためにも、両手刀がペットリと貼り付いて絡んでいます。手刀の前腕で相手の腕に軽く乗り、手刀の肘で浅く固定しています。

 (6)で、共有空間への移動では、相手に近づかないように注意して下さい。

 (7)~(8)で、相手の手首を、相手の手先の方向に、引っ張ってはいけません。相手の前腕を筆の軸に見立てて、筆先である肘で、ずずずっと空間紙面に墨を落とします。

 学生時代、小手返しの手首を極めるには、手首と肘を90度に曲げると教わってきました。しかし、その形にもって行けたとしても、か弱い腕では力負けします。当道場では、関節技の効果をどのように発現させるかに主眼を置き、丁寧な手順と位置を教えています。


P.S. 教える技は、直突き一本取りのような押さえ技から教える方針でした。日本での生活の中で実戦を想定した場合、投げ技より押さえ技を優先して使ってほしいというのが第一理由です。投げ技は、相手の死に直結します。

 しかし、押さえ技は、どうしても力技と思われがちで、合気道を感じてもらうには、あまり適していないと判断しました。

 初心者には、受け身が全く出来ていないのですが、投げ技から教えることにしました。投げ技で手加減がしやすい、呼吸投げ、側面入身投げ、合気入身投げから教えています。相手には、崩れたところで、必死にしがみ付いてもらい、受け身は取っていません。なお、今夏、受け身の練習を集中的に行います。
 
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by Network Communication Note