ガレコレ [Garage Collection]
2019年2月23日(土)
手解き掛け #■合気道
 井上強一氏のDVDで「相手の手が密着したまま緩まないように・・・」とありますが、この言葉は間違いです。実演では、これと異なるので、言葉で表現することの難しさを感じます。大切な冒頭で、この表現では、少し心得のある者であれば、みるに値しないと判断するでしょう。動作と言葉が一致していないことはよくあることで、自分は一番弟子にいつも指摘を受けています。

 故師範は、『手解き掛け』を強調しておられました。掴まれたままではダメ、切り離してもダメ。相手に不十分で掴ませておくことが大事ということです。離したくても離れない手刀の要素の1つです。

 相手が自分の腕を掴むとき、親指と四指で輪をつくって握ります。薬指や小指に力が入れば、しっかり握れます。しかし、薬指や小指を半分切って、親指と人差し指の輪っかで握らせると、相手はそれほど力が入りません。このとき、相手の手の平と自分の手首に隙間が生まれて、自分の手刀がかなり自由になります。なので、密着したままという表現は誤りです。

 自分の手刀は立ち、相手の仮想手刀は寝て、相手の腕と自分の腕は捻じれて繋がっています。相手の心臓の表面に効いて、反対側の体の背中側に働いています。内面的に、感覚やイメージを駆使しています。


P.S. DVD:合気道「抜き」と「呼吸力」の極意 相手を無力化する真皮の科学 井上強一著
 
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