長谷地蔵堂※は、仏寺であり、先祖の供養、仏の供養を行っております。お地蔵さまは、村の守り神であり、芸西村の七部落の信者一同により春祭り・夏祭り等を行って、祀られています。
※長谷地蔵堂[ながたにじぞうどう]:通称、長谷地蔵尊[ながたにじぞうそん]。以後、通称で記述します。
以前より取材等を受けずに、寺としての営みを続けてまいりました。しかし、インターネット時代になり、こちらから正確にお伝えする必要があると考えて、ホームページに記載することに致しました。何卒、ご理解の程よろしくお願いします。
さて、長谷地蔵尊には、お地蔵さんにまつわる不可思議な言い伝えがあります。住職である私も導かれてこの地にまいり、この地で日々精進しております。地の力とお地蔵さんの力が、お役に立てれば幸いです。
その昔、ここに長谷寺[ちょうこくじ]というお寺がありました。
八百年位前のこと、突然大きな竜巻があり、お祀りしてあった十一面観音さまは寺もろともに遠く羽尾(現在の夜須町羽尾)まで吹き飛ばされました。
村人たちは境内に取り残されていたお地蔵さんを、夜を徹して羽尾まで運び、安置して翌朝長谷へ帰ってみると、確かに羽尾へ安置したはずのお地蔵さんが元のところに立っているではありませんか。
驚いた村人たちは早速地蔵堂を立てて、自分たちの守り神としてお祀りしました。
お地蔵さんの本尊は、木造の延命地蔵菩薩で、空海(弘法大師)の作であると今に伝えられています。
このお地蔵さんは安産、失せ物、養蚕に霊験あらたかで、毎年二回(春・夏)のお祭りには、寺としては珍しく御輿も出て、たくさんの人出で賑わっています。また、境内にある夫婦杉は縁結びのご利益を求める人が後を絶ちません。
平成十六年三月
芸西村教育委員会
芸西村史研究会
※本尊である延命地蔵菩薩は、写真掲載できませんので、ご了承下さい。来所の際に、ご覧頂けます。