ガレコレ [Garage Collection]
2022年9月21日(水)
[1106] 公開練習19時~@ガレコレ店舗 #■合気道
 『突き 裏技 小手返し』を、いろんなバリエーションで練習しました。おそらく『小手返し』ほど、多彩な枝葉末節のある技はありません。どんな流れでも、最後に手首関節を極めやすいからでしょう。自分に合ったもの、場面に合ったものを、研究してみて下さい。

 いずれにせよ、<おひけえなすって>が大事です。また、お互いの前腕が絡み合う<への字>を愚かにしては、反撃を喰らいます。



【0-1. おひけえなすって】

 「おひけえなすって」は、仁義を切る口上であり、他意が無いことを示すために取る姿勢は不安定なものです。これを『崩し』に利用しています。

 相手の腕を、相手の心臓の左右表面ラインで、相手の膝内側まで、下ろしてきます。働きかける相手の腕1/4軸は上部内側(橈骨内側)であり、相手の人差し指から脇の胸側を経由して心臓表面に届く<弱い手刀>になっています。

 相手の腕が下り切るときに、相手の薬指を回転軸にして、相手の手の平を天に返します。

 相手の手首より相手の肘が下です。力点は、触れている相手の手首ではなく、相手の肘にあるとイメージします。軌跡は、相手の肘で描きます。筆に例えると、相手の肘が命毛、相手の手首がダルマになります。

 相手の心臓を前に「クン」と釣り出すイメージで、相手の体の上部腹部左右半分(1/8体)を貰います。以前は<上澄みを掬う>と称していましたが、もう少し積極感があってもいいなと思い、表現を変えてます。



【0-2. への字】

 お互いの前腕が絡み合うようにして、相手の腕を上から押さえます。蛇が枝に絡み付くイメージです。

 自分の手首がへの字に折れ、相手の腕を自分の薬指と肘で緩やかに固定します。相手の前腕に捻れも生じさせていますが、相手が固定・捻れに気付かない程度です。自分の肘が邪魔になり、相手が固定された腕で攻撃しにくくなります。

 相手の手首を握り締めたり、自分の肘を入れたりして、ガチガチに攻めると、相手は力を出しやすくなります。

--
   [手首]
[薬指]へ[肘]
--



【0-3. 小手返し】

 小手返しにおいて、手首の極め方はいろいろあります。

 自分が推奨する極め方は、相手の橈骨・人差し指ラインはさほど折らずに回転軸にして、相手の薬指・尺骨ラインを折り、尺骨が捻れるように回転を加えます。

 ここまで深く手首が曲がるのかと思えるくらい曲がります。痛さより、深さを重視しています。気づかず軽く早く深く回った回転が、相手の体に大きく伝わるはずです。



【1. 浅いおひけえなすって→内側に押す】

 当道場の小手返しの筆頭型です。たくさんの要素を含んでいるので、練習のやり甲斐があります。

 完全なおひけえなすっては、相手の手首を相手の腰から肘ぐらいまで下ろします。そのまま『呼吸投げ』に繋がります。

 浅いおひけえなすっては、相手の手首を相手の心臓の位置に、高さを保ちます。



【2. 浅いおひけえなすって→外側に回す】

 一般的な合気道でよく用いられている裏技の型です。勢いがつくので、投げたあとも固めに持ち込みやすいです。



【3. 浅いおひけえなすって→転体】

 警察でよく用いられる型です。

 下記の動画は、突きを躱してではなく、背後から忍び寄っての小手返しです。実戦かは判断が難しいですが、伝わってくるものが段違いです。投げは、柔道の体落としの要素も加わって、さすがは警官です。P.S. Youtubeで、しっかり解説されてますね。
--
白川竜次 on twitter
https://mobile.twitter.com/ryujishirakawa/status/1415527787662745602
--

 小手返しではなく、手解き等ですが、柔術の基礎なので、ついでに見ておいて下さい。
--
愛知県警
警察官が教える護身術講座
https://m.youtube.com/watch?v=ZFpAN0KPBtY&feature=youtu.be
--



【4. 浅いおひけえなすって→手首を捻る】

 省略形の極みです。理屈が分かっていない内は、あまり練習にはなりません。



【5. 深いおひけえなすって】

 相手が腕を戻そうと肘を曲げようとした場合、深いおひけえなすってが適しています。完全なおひけえなすってとも異なります。

 相手の肘が鋭角にならないように、相手の手首の高さを調整します。

 相手の脇が開くように、相手の手首・肘を横に移動します。

 相手の肘を残し、相手の手首を外側に開いて押し込み、相手を仰向きに倒し、後頭部を叩き付けます。隅落としに近い型です。



 まだまだ『裏技 小手返し』のバリエーションはあります。極めも、親指掴み、四指掴み、肘の内側に手刀当てがあります。応用技に、十字投げ等があります。各自研究してみて下さい。

 次回は、『表技 小手返し』を練習します。



P.S. 当道場では、『呼吸投げ』『入身投げ』『一教押し倒し』『小手返し』を『修得必須技』としています。それぞれバリエーションが多く、これら四技で、そこそこ負けない闘いができると考えています。

 初段位免許には、『二教小手回し』『三教小手捻り』『五教手首極め』『六教脇固め』『四方投げ』を含みます。他の流派でも通用する為には、練習しておく必要があります。

 二段位相当の練習には、『回転投げ』『裾払い』『隅落とし』『背面落とし』『天地投げ』『腰投げ』および『長物取り(剣・杖)』を考えています。
 
お問い合わせ


by Network Communication Note