ガレコレ [Garage Collection]
2020年9月16日(水)~中旬
制度設計は、もう死語なのかもしれない 政治・経済
【制度設計】
・目的および目標
・対象&場所(全員、限定、特定)
・期間(恒久、臨時、開始日~終了日)
・手法(根拠、法律、関係者、例外、見直し)
・効果(期待効果、悪影響、利害関係、判定)
・関連制度(同方向、補完、矛盾)
・マネーフロー(財源、配分、時系列、経費)
・体制(運用、検査、会議)

 上記を埋めていけば、自ずと抜けていることが判明するはずです。



 『Go
 
To
 
トラベル』は、無茶苦茶です。宿泊利用者数が数百万人で多いと感じる報道がなされていますが、夏休みの書き入れ時に、桁違いに少ないでしょう。Go
 
To
 
トラベルが無かったらもっと悲惨と言われますが、高級旅館にシフトしただけで、リーズナブルな宿泊施設は閑古鳥でしょう。還元の支払いに関して、チェック作業や振り込み作業は未知数で、経費は莫大です。こんな風に血税を使ってほしくはありません。政府は、どうなるか全く予想していません。

 来月10月からは東京都解禁になります。良いことですが、都会と地方の感覚の差を、制度に反映すべきです。ゴミを巻き散らしていく旅行者に「残すのは足跡だけ」と訴えるだけでは済みません。ゴミは勝手に増殖しませんが、新型コロナウイルスは拡散します。今、地方が保っていられるのは、都会との交流人口が自制されているからです。都会からだけではなく、都会へもです。『生活者』と『旅行者』の行動意識は、別物です。

 70万人の高知県で、1日100人の感染者が出たら、それこそ終わりです。このことを政府は無視しています。今年の秋冬こそ、正念場ということを無視しています。経済活動の後押しではなく、地域内で維持するという概念をもっと強調すべきです。



 『ふるさと納税』で大失態中の奈半利町ですが、そもそも制度設計は有って無いようなものです。返礼率を3割以内に抑えるルールを作っても、抜け道が見えている実情では、全く無意味です。

 過去の奈半利町がかつてそうであったように、返礼率が8割として、考えてみましょう。あくまでも、例えなのであしからず。

 10,000円のふるさと納税で8,000円税免除なので、お客は2,000円負担です。自治体には2割の2,000円が残れば良しとします。返礼品業者は、5,000円の品で水増し請求して8,000円貰ったとします。それでも、お客は3,000円お得なので、喜びの声だけです。税免除の8,000円を三者で分け合っているので、誰もがハッピーということです。財源をどこから持って来るかが問題になるのが常ですが、都会と地方の平準化という概念上で、このやり方が許されているのです。しかし、現実として地方から地方へも無視できません。

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自治体[+2,000円]
     ↑
      返礼品業者[利益+3,000円]
      →5,000円+3,000円水増し
      ←5,000円品物

10,000円↑↓5,000円品物、8,000円税免除
お客[-2,000円、+5,000円品物]
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 返礼品業者が水増し請求しても、三者で誰も損していないので、問題発覚しにくいのです。民間のバイヤーなら、品物の値踏みして、自社の利益を上げようとします。しかし、自治体の場合、自治体が儲けても良いものだろうかとか、返礼品業者に儲けさせてあげたい意識が過剰に働き、職員に品物の目利きが無いのも相乗して、返礼品業者の水増し請求をみすみす見逃すことになります。返礼品業者と自治体が不当に繋がっていれば、言うまでもありません。

 返礼率3割以内を掲げても、返礼品を赤字で出してもらい、後先で協力金や補助金として返礼品業者に還元すれば、元の木阿弥です。『犯罪の温床』を政府自ら与えており、法治国家の根源に反しており、良心を絶対と信じる者の驕りです。言い換えれば、儒学の精神を見誤って認識している阿呆者です。

 とどのつまり、ふるさと納税は、未だに制度設計が不十分です。お客が支払った8割のお金を三者で分配するという構図自体に甘さがあります。三方一両損ならば微笑ましいのですが、ふるさと納税に蟻がたかるのは致し方ないことです。ふるさと納税に制度設計があるとは言えない最大の理由です。一兆円産業の半ばまで来ていますが、正当な商売を愚弄する政策であり、国を弱らせると断言します。

 実際には、これら三者に加えて、サイト運営業者、配達業者、管理業務委託者が加わります。

 政府は、きちんと積み上げて、誰にどれだけ得させるのか明確にした上で、法に照らし合わせて、再再度、制度設計し直してみて下さい。また、返礼品が、商品としての価値を維持するのに必要な価格を精査してみて下さい。いじるところが『返礼率』なのか、すぐに分かります。

 各自治体は、良心を問われている以上、道から外れることの無いように、規定を自作して自衛していく他ありません。周辺自治体間で規定を交換審査することも大事です。あそこの自治体が儲かっているから、うちも同じようにやろうではダメです。法律の専門家も活用しなければなりません。上流で幅を広げた裁量は、ときに末端での運用に大混乱を起こすものです。

 ふるさと納税は、当初は『臨時政策』と考えられてきましたが、政府に継続の意思があるので、『恒久政策』と見なさざろう得ません。商売構造が確立した以上、今更止めるとひっくり返されては、反感は極まるでしょう。事実、取り消しを受けた奈半利町では、途方に暮れる暇もなく、返礼品業者であった方々は東奔西走されていますが、新型コロナウイルスの影響も重なって、活路は厳しいものです。ふるさと納税には、商売形態をも変えてしまった責任があります。



 なお、『Go
 
To
 
トラベル』にしろ『ふるさと納税』にしろ、全国民が対象のように聞こえますが、低所得者には無縁のバランスの欠いた制度です。

 大企業が儲かれば、中小企業にもいずれ行き渡るという浅知恵の延長線上に過ぎない政策です。余談ですが、大企業がのさばれば、余裕があるのをいいことに、中小企業を締め付けて、さらなる利益を確保しようとするものです。机上論とは全く異なりますが、政府は盲目に徹しています。同じ心情でなければ、しわ寄せは、弱い者に向かいます。下請け業者を協力業者と呼ぶようになっても、何ら変わりはありません。中小企業が、大企業に対して、強気に出られるための政策が必要です。

 安倍内閣の政策を引き継ぐだけならば、発足したばかりの菅内閣には、この点を議論する器無しと判断して、全く期待をもっていません。




P.S.
 
『書き入れ時』の漢字は誤りで『掻き入れ時』とのご指摘がありましたが、調べてみて下さい。よくある漢字テストです。Microsoft
 
IMEでもそうなっています。

P.S.1-2
 
了解されたようですね(^^) でも、近い内に掻き入れ時になりますよ。



P.S.
 
2
 
お問い合わせにありましたが、菅内閣を否定しているのではなく、『制度設計』という概念が欠落したままでは、期待できないと言っているのです。長文にて分かりにくく、焦点がぼやけていてすみません。修正を繰り返してみました。
 
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