ガレコレ [Garage Collection]
2019年2月15日(金)
足の運びで移動しない #■合気道
 DVD『円和の合氣道(指導/監修 成田新十郎)』の戒めの訓にある項目です。具体的には「腰が転ぶことによって移動することが原則」と述べられています。DVDの内容を書いても仕方が無いので、以後、自分の言葉で綴ります。

 運足を図式化して、技の流れを説明することはよくあるやり方です。このやり方を間違いとまでは言いませんが、記述通りに動いても、気持ちが乗りません。

 光輪洞合気道では、腰が回ることによって、体や手足が動くと教えています。『腰回し』が重要であると知りつつも、自分が再構築している合気道には馴染まないとして、一旦横に置いて指導しています。もちろん、足の運びで移動しないと教えています。

 当道場では、からだの中心を腰と考えず、心臓が中心と考えています。腰は力を出す源ですが、合気道は力を必要としていません。また、腰を転がすだけでは、自分が考える『お互いを微重力空間にいざなう』ことは出来ません。三次元空間で、お互いに傾くという要素が、腰回しには無いことは、このDVDを観ても分かることです。根本と思える腰回しを一旦捨てて、心臓に注目して、合気道を練り直しています。これが自分にとって、修行段階を表す『守破離』の離になったと思っています。

 からだを上下に二分するときに、心臓の底面で分けます。当たり前のことですが、腰は折れ曲がりますが、心臓付近の体には関節が無く折れ曲がりません。『心臓が股』とイメージして、腰と脚を一体化します。自由度があまりなく、少ししか動けない姿勢なのですが、これが微重力空間で姿勢を保つ要素として重要になります。

 骨格の芯で動くことは、理に適っているように思えます。しかし、芯をずらして遊んでみると、意外な感覚に気づくでしょう。骨は構造で、動きは筋肉が司ります。軸は骨の中心には無く、骨の表面付近の筋肉にあります。体の軸は、背骨の中心の1本ではありません。体の軸は2本あり、心臓の左右表面→股関節→脚の内側→足心→足の薬指を通ります。竹馬に乗ってみれば、よく分かることです。

 当道場では、『歩み』と称して、移動の練習を15分以上行っています。一昨年までは、この歩みが出来なければ技を教えても無意味として、30分以上、酷い時にはその日の練習時間全部使って練習したものです。心臓の底面の高さを保ちながら、心臓を前後左右に傾けてみます。足が、歩幅狭く、自然に出ます。これが、移動の基本となります。

 当道場では、「心臓が浮き流れて、足が追随する」と教えます。目安となる運足図も描けますが、角度を正確に真似ようとする人も出てきそうなのでやりません。
 
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by Network Communication Note