ガレコレ [Garage Collection]
2018年11月29日(木)
スーウーアーの呼吸 #■合気道
 世の中には、幾多数多の呼吸法が存在しています。それぞれに意味は感じられますが、それぞれの奥底までには到達できそうにありません。

 そんな中、自分が大学時代の合気道強化練習で、合気道顧問のN先生から講義して頂いた中に、スー(吸う)ウー(吐く)アー(吐く)の呼吸があります。当時は、全く分からず、ふざけてその呼吸をやっていたものです。

 また、師範に、技の間は呼吸はどうなっていますかと尋ねたところ、「止まっている」と即答頂きました。当時の自分たちは、力を出すには息を吐くものとして、合気道を履き違えていました。

 その後、社会人になって呼吸に関して再考していくのですが、仕事や趣味で行う素潜り(2~5m程度)が切っ掛けで、呼吸に関してあることに気が付きました。

(1) 胸骨が盛り上がるまでめい一杯吸い込んでから潜るのではなく、無理なく肺に溜まった程度の方が、苦しくない。

(2) 少し吐きながら潜り始めると、苦しくない。

(3) 息を漏らさないよりも、少しずつ吐く方が、苦しくない。

(4) 水中では、脱力状態で動くことを心がける。

 息が苦しく感じるのは、酸素欠乏、二酸化炭素増加、肺や胸膜の動きに発する呼吸命令が、原因です。ちなみに、長く息を止めれるようになったなあと感じるのは、二酸化炭素増加に対する慣れだそうです。

 さて、素潜りの呼吸の気付きでは、長く潜れるのではなく、苦しくないと表現しました。ブラックアウト(意識の吹っ飛び)ギリギリまで長く潜れるかではなく、我慢せず水中に自然と居られるにはどうするかという視点です。

 合気道では、微重力空間で動くことを想定していますが、それはまさに水中環境です。水中で無理なサクッと動くには、呼吸から変えていかなければなりません。そういった意味で、素潜りの呼吸と合気道の呼吸には、共通点が多々あります。

 日本語で息を擬音で表すと、スーハースーハーですかね。スーウーアーの呼吸では、吐きがウーからアーに変化します。ウーでは出し惜しみしており、アーでは肺内と外を繋げるだけで、呼吸と言える積極的な出し入れはしません。最終的に吐きにも吸いにも小変化して、呼吸が止まってみえる状態になると考えています。アーで、技を掛けると、力が抜けて、良い感じになります。最初からアーだと息の溜めが無く、呼吸数が多くなり、戦いが雑になります。

 また、アーで肺内と外の気圧が同じになった後、積極的に振り絞るように吐き出すことが出来ます。息を漏らさないより苦しくありません。まあ、あまり無理しないで下さい。体内の無酸素状態を作り出すことができるので、筋力トレーニングやストレッチに応用できます。

 なお、発する音というのは不思議なもので、母音をそのままに、ウーをフーやツーに、アーをハーやカーに置き換えるだけで、ニュアンスが異なります。

 こんな感じで、実体験を元にして、合気道や鍛錬に適した呼吸を模索しています。
 
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