ガレコレ [Garage Collection]
2018年2月22日(木)
前腕の絡み ■合気道
 手首の関節を極めて、その激痛で相手が崩れるというのが、合気道のセオリーの一つです。これはこれでありなのですが、小さな子供が大きな大人に関節技を極めても大したことがないように、体格差の前では全く効かず、むしろ窮地に陥ります。いくら関節技が正しくなされていても、効かなければ、絵に描いた餅です。

 当道場では、力なき者の技を探求しています。関節を極めることを捨てて、いかに相手を崩し落とすかに専念しています。合気道の極意である「曲がるように曲げ、開くように開く」を実践して、逆手に取ることは邪道と見なしています。この言葉を知っている人は多くとも、関節技に頼る限り、合気の域に辿り着けません。

 これまで、『背後霊を攻める』『上澄みを取る』『レ点の返し』など、独自の表現を用いて説明してきました。

 最近になって、『離れない手刀』について研究を深めようと、まずは『前腕の絡み』を『小手落とし』で練習しています。小手落とし4本(表裏上下)は、初心者に早くから教えるので、新入生が来た時に備える意味でも、この時期に練習しています。

 手刀は、小手先だけでなく、腕全体です。強い手刀は、心臓表面から脇下、腕1/4軸外側下部を通り、薬指に繋がっています。

 ところが、小指球や手首で相手を引っ掛けようとして、手刀を折ってしまうので、せっかくの手刀の繋がりが崩れて、手刀が外れます。

 『剣の弱点』と同様に考えると、腕の弱点は前腕にあります。この点に働きかけると、相手の腕全体を制御できます。なお、仮想剣の弱点や、未公開の指の弱点は、無視して下さい。

 片手持ちにおいて、技の途中で、相手が手を開いて離そうとしたとします。このとき、前腕同士が触れている場合も、触れていない場合も、前腕同士が空間的に融合していれば、手刀は離れていません。つまり、手刀は、物理的に接している点でくっついているのではなく、空間的に絡んでいれば離れていないのです。

 また、相手の腕を手刀で撫でるような動作は、摩擦により相手の腕を動かすことより、前腕同士を馴染ませる要素が強いと考えて下さい。

 前腕の絡みが、離れない手刀の正体のすべてではありませんが、このことに気付いただけで、一皮むけると思います。試してみて下さい。


P.S. 離れない手刀を『釈迦の手』と呼ぶことを提案しましたが、道場生に一蹴され、よく考えるとニュアンスもしっくりこなかったので、不採用としました。笑)
 
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