ガレコレ [Garage Collection]
2016年5月22日(日)
合気入身投げ #■合気道
 当道場では、身に付けた『術』を『技』で試してみるという考えで行っている。なので、稽古している主な技は、下記の通り少ない。

・突き 呼吸投げ 4本
・突き 一本取り
・突き 小手返し
・突き 合気入身投げ
・片手持ち 四方投げ
・片手持ち 入身投げ
・片手持ち/突き 一教表 押し倒し
・片手持ち/突き 一教裏 引き倒し

 導入に『突き』が多いのは、空手等経験者ばかりなので、納得してもらいやすいので、そうしている。突きから入って、片手持ちや正面打ちもやって、理解を深めている。

 稽古のほとんどは『初動』に費やしているが、たまにはこれを置いといて、『技』の稽古もする。

 『合気入身投げ』の技を説明する。

 合気道の代表的な技の一つである。相手を前に崩し、相手の体を起こし、手刀で相手の首を刈るようにして、相手を仰向けに倒す。相手の首を刈ると表現したが、言葉の綾で素直に捉えては、ラリアートになりかねない。力は全く使わない。


【レベル1】

・手刀とは、心臓の表面から肩甲骨下に出て、脇下、腕1/4軸外側下部を通り、薬指に繋がる帯である。
・薬指第二関節元側の腹で、軌跡を描く。
・力を出してから、手刀の先の方向性を維持したまま、緩めた状態にして捌く。
・相手の『頭部(実)』を無視して、相手の外側斜め後ろに大きめにいる『背後霊(虚)』に、手刀で触れる。
・自分の腕の重さを、相手に半分伝える。


【レベル2】

・手刀は、相手の外側の目の視界に介入しながら、相手の頬骨下を広く捉える。
・相手の頭部を引き寄せてから、相手の頭部をボトルのキャップに見立てて開ける。


【レベル3】

・相手の頭部を、相手の中心から相手の心臓の表面にずらす。
・相手の頭部を引き寄せるときに、自分の体が前に進むので、絶対空間では相手の頭部は背面側に移動する。
・相手の顎は一旦上がるが、手刀を進めて、手刀の反しに従って、相手の顎が落ちる。
・相手の頭から足まで、いびつなS字になっている。
・相手の頭部の向きを変えることによって、相手の体が捻り、相手の足裏が剥がれ、相手の足が進行方向に対して垂直に飛ぶ。
・相手の体の背部、自分に近い側と言うことで、相手の体1/4に働きかけている。
・相手の半尻(片尻)を、相手の心臓の表面(片足の内側)の延長線上に落とす。
・相手の頭部と半尻の落ちる位置の調整で、技の効果の加減が可能である。


 さて、相手の頬骨下に、手刀が入るのであれば、こんな面倒くさいことをせずとも、顔面を殴ればいいのではと思うだろう。

 殴ろうとか掴もうという姿勢では、相手はこれほどまでに迂闊に近づけてはくれない。空間を味方につけ、手刀の的確な捌きで、相手に近づくことができる道筋をつくっているのである。
 
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