ガレコレ [Garage Collection]
2014年11月28日(金)
力を伝えて解放する ■合気道
 力を伝えれば、相手が動くというのが常識であろう。しかし、それは、力で振り回しているに過ぎない。

 意識レベルで、相手に力を伝えることが、武術共通の極意であろう。幸いにして、合気道では、これを修得すべく、初心者の練習から当たり前のように教えてもらっている。

 この他にも、極意を初めから教わっていると言える点が数多くある。これ程オープンな武術もないだろう。合気道以外の武術家が、合気道を高く評価し、自らの技に取り入れようとするのも頷ける。

 しかし、肝心の合気道家は、極意を実践していないことが多い。感動や感銘よりも、疑問や不信が上回っている状態に陥っているのだろう。話がずれるが、これは日本および地方自治体にも言えることである。

 「力を抜きなさい」と頻繁に聞いてきたことだろう。しかし、力を抜いただけでは、ただの振子で、電々太鼓のようなものである。どこで力を出すかである。

 球技では、単純に述べると、球に当てた瞬間に、最大の力を込めるだろう。自分は、中高とバスケットボールをやってきたおかげで、ボールを力で飛ばすのではないという感覚が強く、合気道と上手く噛み合っている。

 まあ、この常識が、合気道の奥義を曇らせている。合気道では、相手と接触するときに、最も力が抜けていると言っても過言ではない。当道場では、「下で手刀をつくり、解放にて相手に接する」と教えている。

 相手に接したときに、力を伝えて、手刀を戻してくる。当道場では『レ点の返し』と呼んでいる。真っ直ぐに当てて、斜めに戻してくる様が「レ」に似ていることから、そのように名付けてみた。正確には、折れの部分には丸みがあるが、「し」ではない。

 手刀は、寝ることが無い。手刀は、水平に移動する際にも、斜めに傾いているが、立てている意識で行う。傾きからの復元力が重要であり、水平に寝たり、斬ってしまっては、元も子もない。

 「力を伝えるとき、自分も相手も少ししか動かない」と説明してきた。それでも、大きく捌くことが良いとの常識に左右され、頭と体が言うことを聞かない。ところが、「力を伝えるけれど、相手を動かさない」と教えたところ、『レ点の返し』や『手刀の復元力』が、妙に良くなった。相手を無理に動かすことは、単にぶれを生じさせるだけだったのである。目から鱗である。

 投げや極めも、力の出し入れではなく、相手が引っくり返ったり、転げたりするように、相手を解放するのである。重力を最大限に活かすために、手刀の薬指が地に吸い込まれるように行う。

 この理屈の先には、相手に触れずして投げることもできよう。その境地に、辿り着きたいものである。
 
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